校内放送
毎朝の校内放送。
中学生の頃、生徒会の役員をしていた私は、
その日のイベントや近々開催される催し、誰々がクラブで活躍したなどを話す、
数分に渡る校内放送を担当していた。
生徒会担当の先生は、私のクラスの担任だった。
校内放送で話す内容は、たまには私が考える事もあったけど、
原稿のほとんどは、その先生が書いていた。
毎日の事だから、1年も続けるとかなりの量。
今考えれば、いやあの時も感じていたけど、先生が考えるスピーチの内容は驚きの連続だった。
時折織り交ぜる笑いも大好きだったし、本当にネタが尽きなかった。
子供心に、大人ってすごいなぁと感じていた。
当時の先生の年齢を軽く超えた今、
あれは、大人が凄かったのではなくて、先生が凄かった
と気付かされる。
人に話を聞かせる、ましてや中学生に聞かせる話の内容なんて、今考えろと言われてもなかなか思い付かない。
そんな事を平気でやってのけていた先生は偉大だ。
体を鍛える事が日課で、筋肉モリモリの先生は、
当時流行った映画『ロッキー』のシルベスター・スタローンそのものだった。
文化祭で「エイドリアーン!」と言って変装していたのも懐かしい思い出。
毎朝、大型バイクで学校にやってくる先生は、ほんとかっこよかった。
あの頃、30台前半で独身だった先生も今や還暦を迎えているはず。
どこで何してるんだろ。